エンゲル係数
昨今、新聞紙面上やメディアで日本の食糧事情が取り上げられることが多くなりました。
中国の日本産水産物輸入禁止や自国の食料自給率、エンゲル係数の増加などです。特にエンゲル係数の増加は我々庶民の生活に大きな影響を与えております。日経新聞の記事では、7月から9月期においては28.9%まで上昇しているとのことです。家計の約30%が食糧費となっていることにも驚きでしたが、その上昇率は諸外国と比べても大きくなっています。
その理由の一つとして可処分所得の伸び率が低迷しているうえに、人口の3割を占める65歳以上の高齢者が他国と比べて圧倒的に多いということです。
また最近の物価高がその数値を大きく押し上げているのも要因の一つです。女性の正規雇用率の上昇に伴い、外食やお惣菜の支出も多くなっているのでしょう。
エンゲル係数の上昇は生活レベルの低下とも言われていますが、これについて私は異を唱えたいと思います。
私個人の考えですが、昭和世代と今の令和・平成世代の価値観の違いがこの数値に表れているのではないかと思っています。
もちろん物価高の影響は否定しません。
我々昭和世代のお金の使い方は車やハイブランド、会食などに向けられていました。しかし今はSNSやコト消費などの身近な自己満足にお金を使うことが多くなってきました。
もはや車やブランドの購入は生活レベルを落としてまで欲するものではなくなってきたのでしょう。結果、自らの生活レベルを落とすことなくコト消費にお金をつぎ込めるようになったのです。エンゲル係数の上昇は食糧に使うお金が増えただけでなく、それ以外に使う広範囲なお金が減ったのも要因の一つでしょう。愛犬などのペット関連商品、アニメやゲーム、推し活、健康グッズなど自らの趣味にだけお金を使う人が増えてきました。実際、それらの支出は大きく伸びています。
話は変わりますが、2024年の男性会社員の月額平均お小遣いは39,081円だそうです。皆さんはこの平均値と比べていかがですか?ここから外食費や娯楽・レジャー費などを捻出するとあっという間に財布は空に・・・。
自ら稼いだお金を全額家庭に収め、その一部をお小遣いとしてもらうこの理不尽さには涙がでます。更にその毎月のお小遣いよりも、家で飼っている愛犬のトリミング代や餌代の方が多いと嘆いているパパさんもいます。
エンゲル係数の増加より妻の力が強くなってきた令和。星一徹が天然記念物となってしまった昭和。
結論、食費も家庭もバランスが大事です。