にわか
6月から始まりました「FIFAワールドカップ2026」で日本全国大盛り上がりを見せております。
普段はサッカーにあまり関心のない私も例に漏れず、早朝より日本代表を熱血に応援しています。日本代表メンバーの多くは欧米でのクラブチームに所属しており、正直全員の名前と顔が一致しておりません。完全な『にわかサッカーファン』と化しています。残念ながら日本代表はブラジル相手に惜敗しましたが、その実力は世界に十分認められる内容だったと思います。4年後のワールドカップが今から楽しみです。
さて、この『にわかファン』という言葉は、実は本来の語源とは異なる意味ではないのはご存じでしょうか。
そもそもの語源は江戸時代中期に、突如素人が思い付きで行う滑稽な寸劇の「俄狂言」(にわかきょうげん)なるものから生まれたそうです。そのことから、“にわか“=“突然”や“急に”などの意味合いとして使われ始めました。急に降る雨を「にわか雨」と言うのはその由縁です。他にも「にわかに信じがたい」などの表現でも使われます。
一方で、最近は“にわか”=“新しい”とか“深くない”の意味に使われるようになりました。この“にわかファン”は、2019年の流行語大賞にノミネートされてから一般的に使われるようになったと言われております。ちょうど日本でラグビーのワールドカップが開催された年です。更にこの言葉は進化して少し皮肉を込めた言い方を示すようにもなりました。
さらに掘り下げてみましょう。
博多のお土産にある「二〇加煎餅」(にわかせんべい)は皆様ご存じでしょうか?この名前の由来も実は同じ語源からだそうです。江戸時代中期に流行った俄狂言はその後、博多郷土芸能の博多仁和加へと発展していきます。その時に使った半面の形を模して、1906年頃に土産用に作った煎餅が今の「二〇加煎餅」になりました。
最後に「俄」の字体についてですが、これは人間を表す「人」と武器を表す「我」を組み合わせた漢字です。『人が急に武器を構えるというイメージ』から『にわか』という読み方になったと言われております。
漢字の見た目で、人(ひと)+我(われ)と表現できることから、結婚指輪などでこの文字を使うブランドもあります。
改めて、日本語って本当に面白いですね。

