アンガーマネージメント

つい最近、ある会合でマレーシアのクアラルンプールに行く機会がありました。
私のマレーシアのイメージは「東南アジア独特のゆっくりした田舎の雰囲気」でしたが、訪問してびっくりです。
まず空港がバカでかい。日本の空港の数倍の広さです。

また、都心では洗練された無数の高層ビル群があり、どれも斬新なデザインの建造物です。聞くところによると地震が無いので高い建築物が建てやすいとのこと。街も綺麗で良い意味で東南アジアっぽくありません。

そして、人々が若い!街中は若者で溢れています。平均年齢は28.5歳ととても若い国で、これは日本の1960年代に相当します。ちなみに2023年の日本の平均年齢は48.4歳なので、その違いは一目瞭然です。また、東南アジアで一番良いと言われる都心の治安も日本人にとってうれしいポイントです。結果、ある程度のお金があれば、長期滞在VISAがとりやすいので、マレーシアは日本人の移住先として人気No.1だそうです。

さて、マレーシアの人々の特徴として「とにかく怒らない」ことは有名です。『怒る人』は可哀そうな人として見られ、関係を持ちたくないそうです。ですので、親は子供を怒りません。仕事をミスしても怒りません。約束を破っても怒りません。『怒る人』イコール『信用できない人』『可哀そうな人』のレッテルを貼られるのがマレーシアなのです。

その理由としては諸説あるのですが、多民族国家が一番の要因ではないかと言われております。言語や宗教、食の文化などの違いはもちろん、倫理観や家族観・人生観など日本と比べると人と人とが共有できる点が少ないのです。そのような背景から自然と「怒っても無駄」という精神が身に付き、結果、怒らない文化が身についたと推測されます。

一方、日本では怒らないために自らお金を払って講習まで受けることも多々あります。所謂、アンガーマネージメントなるものです。アンガーマネージメント協会のホームページを拝見すると、面白いことが記載されています。

「アンガーマネージメントは怒らないことを目指すものではありません。違いを受け入れ、人間関係をよくする心理トレーニングです」

これってマレーシアの人々の習慣そのものじゃないですか。『怒らない人』を目指すには、多様性を認め、心に余裕を持つことが一番の近道です。とは言うものの、海に囲まれた島国で単一民族の日本人には難しい考え方かもしれませんね。 余談ですが、マレーシア人は『大きな声』も好きでは無いそうです。当社にも声の大きい人がいます。心当たりのある方は声のボリュームを下げるか、マレーシア旅行自体を自粛しましょう(笑)